イギリス生活 ロンドン2番目の家  2回目

イギリス不動産

こんにちは、にゃんこ夫婦です。 イギリス生活 ロンドン2番目の家  1回目の続きです。

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フラットのさまざまな住人たち

棟内は、若いカップルから赤ちゃんや子供のいる家族から年配の夫婦二人暮らしの人まで、色んな家族がいてとても良いバランスでした。国籍もユダヤ人、英国人、アジア系は中国人の家族が3家族で、日本人はうちだけでした。入居している人達で、挨拶をしている間に何組か仲良くする人達が出来ました。

1組目は、私達の棟のペントハウスに住んでいる英国人のご夫婦で奥様はロンドンのシアターの舞台女優さん!一番最初にご挨拶した時に、なんて美人でエレガントな人だろうと思いました。でも、凄く気さくな方で、お互いの家にディナーを呼び合う様になりました。旦那様は舞台のエンジニアだそうなので、いわば職場結婚ですね。彼等は、郊外に週末の家を持っているそうで、そこに行くと彼女は大好きなガーデニングを心いくまでするそうです。ここは庭がないからねーと言いながら、共用部分の花壇に球根や花を植えてくれたりするので、私達は彼女の事を園芸部長と呼んでいました。

それから私達の下の階に住んでいる初老のご夫婦は、旦那様が元ケンブリッジ大学の教授。退職後、子供達が住んでいるロンドンに引っ越しして来たそうです。お二人とも演劇やミュージアムに行くのがお好きで、やっぱりロンドンは色々良い催しがあるから嬉しい、と言ってオシャレをして、しょっ中お揃いでお出掛けでした。シアターで観劇をされるのが特にお好きなようでした。旅行にもよくお出掛けで、うちも良く旅行に出かけるので、彼等とはお互いのホリデーの時に手紙がレターボックスに一杯になると、開けて預かった袋に入れて帰って来たら渡す、と言うのをしていました。いつも助かっていました。

フラットの近くに住んでいる猫ちゃん

私達が知っている他の入居者は、ITのスペシャリスト、元小児科のお医者さんだった旦那様と元看護婦さんだったご夫婦、地元で薬局を手広くやっていた方など、高齢者グループと仲が良かったです。私達も自営業で昼間家に居るからでしょうか。たまに家に行ってお茶をしながらお喋りしたりもしました。皆様教養もあり、マナーも良いので良いお付き合いが出来ました。人生の大先輩なので、判らない事があるといつも相談に乗ってもらっていました。

フラットの自治会設立と顔役たち

フラットの全ての部屋に入居が終わった一年後、フラット内の管理業務がデベロッパーからフラットの住人全員が加入する自治会に移されました。まず、住民の中から自治会の責任者3名が立候補で決まりました。メンバーは、元教授の方、ITスペシャリストの方、薬局の経営をやっていた方の3名で、全員退職者です。皆さん年金を貰って悠々自適の方々です。このお役目は全く報酬なしのボランティアです。自治会はちゃんと会社登録をしてITスペシャリストの方が1番若かった(70歳)、という事で代表者として登録されました。私達はこの時から、彼の事を「社長さん」と呼んでいました。英国人の彼はすらっと背が高く、細身の人で、繊細で頭の良さそうなタイプです。

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この自治会の口座に居住者が毎月払っている管理費が振り込まれて、そのお金でフラット内の公共部分の掃除や管理などがされます。
フラットの入口や各階の廊下の掃除、庭の芝刈りや落ち葉の掃除、毎週1回ゴミを集めに来る日のゴミ箱をゲートの外に出し入れする、共有部分の電球などの交換、アラームの試運転などフラットはいつも綺麗な状態で使えるように、週1回ぐらい専門の業者に作業を依頼します。また、2-3ヶ月に1回ガラス窓の外側を水で洗ってくれるサービスも必要です。あと、建物が古くなって来た時のメンテナンス用の費用も月々積み立てをしなければいけません。

一年に1回、近くのパブで個室を借りて、総会と懇親会が開かれます。でも、来るのは年配の住人だけで若い世代は来ないので、私達が1番若手になります。(笑) まず、会計の報告、問題点の討論などがあります。みんななかなか細かい事まで気になるようで、時には熱い討論会になります。

「みんなの公共部分から見えるベランダには何にも置かない方が綺麗ではないか?」、「玄関のゲートの門の緊急時用の鍵は、社長さんしか持ってないけど、もし他の住人が急病などで救急車を呼んだ時に敷地内の入れなかったらどうなるのか?」、「入口におおきな木があって景色は良いんだけれど、鳩が来てフンをするので、下の煉瓦の通路がすごく汚れる。木を切るべきか?」等々。こちらの人はみんな討論好きですので、みんな好きな事を言い出して、なかなか終わりません。

それをビシッと仕切るのが 社長さんの仕事です。彼が議長をして話し合いをするのを始めて見た時、彼の前の職業は裁判官だったに違いない!と思ったほどでした。みんなが興奮してドンドン話が出て来ても、彼はちゃんと議題に合った発言以外は、「今の発言は議題とは関係ないので、〇〇の事についてだけ発言して下さい。」と実に上手く話を整理して結論に持っていくのです。それで誰かが怒って苦情を言っても、ニッコリしながら苦情をバッサリ切り捨るのです。(笑)

住民全員のファーストネイムもサッと出て来るし、なんて頭の良い70歳なんだ!とビックリしました。彼は朝晩いつも敷地内をパトロールしていて、いつもフラット内の問題を把握しているのです。朝ゴミを捨てに行った時に、「あれ、この木戸の鍵、ネジが飛んで、壊れてるなぁ。」と思って夜見ると、ちゃんと直してある、と言った具合です。彼はとても優秀な人なので、きっと現役で働いていた頃は高給取りだったに違いありません。(今は、リタイアしているとはいえ、月に1週間位は誰かに呼ばれてコンサルタントの仕事をしているようですが。)他の2人の役員さんもそうです。1人は教授だった人で、もう1人はロンドンで手広く商売をしていた人です。そんな優秀な人達にただでお世話を頼めるなんて、贅沢だなぁ、といつも思っていました。

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