イギリス生活 イギリス人と日本人の持ち家に対する考え方の比較

イギリス不動産

家のというのは、私たちの生活にとても大きなウエートを持っています。私たちもイギリスに済んで29年、6軒ほどの家を移り住んできました。その過程で日本人の家に対する感覚とずいぶん違うところがあることを発見してきました。

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フリーホールドとリースホールドという2つの所有形態

英国人との日本人の家に対する考え方は、かなり違いがあります。まず始めに、英国の一般の住宅の場合、フリーホールドとリースホールドという2つの所有形態があります。フリーホールドは土地付きの家の場合、リースホールドは決められた期間(125年リースなど)を借りているというアパートやフラットの場合が一般的です。もちろん、代々貴族の所領の場所や代々ファーム(農業、牧畜業務)の広大な土地の持ち主などはその人の持ち物です。

その為に英国人は家を自分の物と言うより、次の家に移るまで「住める資産」として考える気持ちが強いといえます。自分たちが住んでいる間、なるべく家が傷まないように、計画的にお金を入れて改築や内装などをし、常に状態を良くして、誰が見ても住んでみたいなぁと思わせるような家にし、売るときに少しでも高く売りたいと考えています。

住まいの建築後、通常100年ぐらいは使用できる理由

日本に比べると気候も穏やかで、乾燥しているので家も傷まないし、何よりこちらの家は煉瓦かコンクリート製なので頑丈です。地震もありません。もちろん、その時に住んでいる人が内装、外装、屋根に至るまで修理したり、変えたり、新しくしたりはしますが、土台の家や壁はオリジナルの建物が残っているものが多いのです。ドアや細工の施されたガラス窓、壁に残るパネルなど、わざわざオリジナルの古い物を残している人も多く、それがまた家を売るときに家の特徴になったりもします。

庭と建物の面積の法律

それから、英国の家で大きく違うのが庭と建物の面積の法律です。一般的な一軒家の場合、玄関のドアの前に車の駐車場を兼ねたフロントガーデン、そして家の後ろ側にフロントよりは大きなバックガーデンが付いています。その両方のガーデンには基本、建物を増築してはいけない事になっています。ただし、その地域の役所に許可が降りた場合一回だけ(主に後ろの庭に)、母屋に繋げて建て増しする事が許されます。それも1~2mぐらい伸ばすのが精々です。従って、庭が狭くなるほど建物を伸ばせる訳ではありませんが、その幅でも新しいキッチンを作ったり、サンルームを作ったりする事が出来るので、家はかなり快適になります。

もうひとつ、家を広くする方法は、2階建ての家の屋根裏の部分を使って3階建てにする方法です。その場合も設計を終えてから役所の方に申請して、許可が下りれば施工できます。そうする事によって、3寝室の家が4寝室に、バスルーム(バスタブ、シャワー、洗面器、トイレが1つになっている部屋)が一つだった家が、今標準のバスルーム2つになったりするので、家のスペックが上がり家を売る時に売値がグッと上がり、改築に入れたお金以上の値上がりが見込めるようになります

英国でガーデニングが盛んな理由は?

英国はガーデニングが盛んと言いますが、それは一軒家を買うと「自動的」に家の前後に庭が付いてくる為に、嫌でもガーデニングをしなければならなくなるからなのです。その庭もガーデニングが嫌いだからといって放ったらかしにしておくと、近所の人から役所に通報が行き、ちゃんと庭の面倒を見るようにと通達が来てしまいます。

街の景観を守る為に道路から見えるところに洗濯物を干すのも嫌がられる行為の1つです。もし、どうしても外に干したい時には、バックガーデンに干す事は出来ますが、こちらでは外に洗濯物はが干してある、という事があまり良いイメージでは無いので(簡単にいうと「貧乏」というイメージのようです)、以前暮らした少し高級なフラットではベランダを含む、壁から外の部分に何か干すのは禁止でした。そんな事でこちらの洗濯機は、乾燥機と一緒のなっているものが大半になっています。

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今は大体の家が共働きで「ガーデニングなんてとっても出来ないわ」という人も多く、そういう人達は地域に沢山いるガーディナー(庭師)に頼みます。夏は毎週1回、冬は2週間に1回来てもらい、芝を刈り、草木のお入れをしてもらいます。一回来てもらって大体20-30分の作業をしてくれて£20-30ぐらいが相場でしょうか?もし、花壇に花などを植えたい時には自分で花だけ買ってくるか、ガーディナーに頼んでおくと花を買って来てくれるて、花壇に植えてくれます。町内の景観を壊さないように街並みのイメージに合った家、というのを意識しながら管理するのが大切なようです。

人生の時期・必要に応じて家を移り住んでいくイギリス人

「家はその時の家族の都合や人数によって、場所や大きさを住み替えながら暮らして行く」というのが英国式の考え方です。先祖代々の家を守り続けるという感覚はイギリス人には希薄なようです。始め親元から出て大学や就職をすると、取り敢えず若い人は家やフラットでシェアをして住みます。大家さんがいて、大きめの家の寝室一つづつを別の人が借り、台所やお風呂場などを共有するやり方です。それから一緒に住む人が見つかるようになると、2人で小さめの部屋を借りて住み、家族が増えそうだな、と言う段階になると寝室が2-3部屋ある家をローンを組んで買います。その時に頭金を出すのはだいたい親の担当になる事が多く、後のローンは自分達で払ってね、という感じです。子育て期間中が一番大きな家が必要なので、その時に学校や仕事先の事も考えて場所を決めます。

そして、その後子供達が独立して家を出ると、その家を売りに出して、また夫婦2人で住むのに便利な場所で寝室が2部屋ぐらいの家やフラットに移ります。これを「ダウン・サイズ」と呼んでいます。このダウンサイズの時に、憧れの南フランスに行く人や、地方都市からロンドンに出て来てミュージアムや劇場巡りを楽しむ人、自分の国に帰って家を買う人など、今まで出来なかった夢の生活に挑戦する人も多くいます。そしてそこに2人で住んで、その後人によっては、身体が動きにくくなると夫婦2人で高齢者用のフラットやホームにl移る人もいます。

このダウン・サイズはとても良いアイディアです。小さめの家に移る、という事は掃除などの家事の量が減るので、老年期に入ってきた身体にも負担が少ないですし、生活にかかる必要経費(光熱費や住民税)も安くなります。小さい家に移る、という事は今持っているものは全部持っていけない、という事で、家財道具の整理、廃棄作業が必修になります。この時に、子供たちが小さかった時の物や、もう使わないのにずっと置いてあった物など処分出来るのでとても良い断捨離になります。

それから1番この方法の良い所は、大きな家を売って小さめに安い家に移る事によって得られる余分のお金です。このお金が老後生活にゆとりをもたらしてくれます。小さな家に移ると、家族が皆んな集まるクリスマスなんかはどうするの?と思うかも知れませんが、そんな時はおじいちゃん達の奢りで家族全員で設備の整ったホテルに何泊か宿泊して過ごします。そうすれば女の人達も料理、掃除から解放されて子供や孫達と楽しい思い出を作れますし、子供世代も喜んでホテルまで来てくれます。

新しい家を探すため、色んな所に行っていた時、地方都市の郊外にあるホテルに泊まると、おじいちゃんから赤ちゃんの孫まで3代のグループで、ホテルに泊まりに来ていた人達をたくさん見かけました。昼間も女の人達は、アフタヌーンティーを楽しんでお喋り、男の人達と子供はプールやジャグジーでゆっくりと言った具合でみんな楽しそうです。日本の一族が集まる時期のように、長男のお嫁さんが親戚の面倒を見てグッタリ疲れる、という事も一切ありません。そうやってみんなが幸せに一族が集まる習慣はとても良いなぁ、と思いました。

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